文さんの拳銃-FNブローニング・ハイパワー
FN ブローニング・ハイパワー(英:FN Browning High Power)は、ベルギーのFN社製の自動拳銃。“プロの使う拳銃”として定評がある。
特徴:
ジョン・M・ブローニングが1927年に設計した最後の自動拳銃である。ブローニングは同年他界しているため、最終的な設計はFN社のデュードネ・J・サイーブがおこなった。関連特許は1927年2月22日に取得されている。ポケットピストルやコルト・ガバメント、BARなど多数の名銃を設計してきたブローニングが、それまでの銃器設計のノウハウを集大成させた傑作銃である。
量産された実用銃としては世界で初めて自動拳銃のグリップ内複列弾倉(ダブル・カラム・マガジン(またはダブル・スタック・マガジン)、弾丸をジグザグに二列に並べるように配置する)を採用したことが特徴。当時このようなマガジンは軍用ライフルやサブマシンガン、拳銃ではトリガー前に弾倉を持つモーゼルC96以外にほとんどなく、その装弾数の多さから「ハイパワー」と名づけられた。
ジョン・ブローニングの遺作となったこの銃は、現代軍用オートマチックの基礎を築き上げた。9mm×19弾13連発の豊富な装弾数。そして、ジョン・ブローニングの思想を受け継ぐシングルアクションの単純で堅牢なメカニズムは信頼性が高かった。
ハイパワーに採用され、現在のほとんどの大型自動拳銃にも模倣されているメカニズムには、弾丸をマガジンで複列にするダブル・カラム・マガジン、リンクを持たないブロック式のティルト・ダウン・バレル・ロッキング(現在でもブローニング・タイプと呼ばれる)などがある。
また、ハイパワーを設計する以前のブローニングが設計した銃と比較しても、部品点数が少なくきわめてシンプルで合理的に設計されている。ブローニングの設計に共通する美点は銃の薄さで、同カートリッジを使う銃と比較しても非常に薄型でスリムなことがグリップの握りやすさにつながっている。グリップ内複列弾倉を初めて採用したこのハイパワーもグリップの上がかなり細くされており、ポリマーフレームを使用した最新の複列弾倉の現代銃と比較してもトップクラスの握りやすさを実現している。
セィフティはフル・コッキングで掛けられるサムピース型。上にあげてセーフティON、押し下げてセーフティOFFとなりコルト・ガバメントと同様。また、ハンマーも同様にハーフコックを持つ。
また、トリガー構造がマガジンセィフティを兼ねるようになっており、マガジンを抜いているときであれば、チャンバーにカートリッジが入った状態でトリガーを引いても撃発しない。1989年のMkIII(マーク3)以降はシアーバーと連動したファイアリングピン・ブロックが装備され、落下時などの安全性を高めている。
各国での採用:
ハイパワーの開発は第一次世界大戦後の1921年、それまでリボルバーを使用していたフランス軍の次期軍用拳銃のトライアルにFN社が参加したことが契機となり、試作・改良を経て1935年に「M1935」としてフランス軍に採用された。第二次世界大戦時、ドイツのベルギー占領によって技術者らはイギリスやカナダへ渡り、連合軍のためにハイパワーを生産し続けた。一方で占領軍であるドイツ軍にも使用された他、中華民国向けに生産が行われた時期もある(チャイニーズモデル)。通常型の他には固定サイト(通称カナディアン)モデル、タンジェントサイトを搭載したミリタリーモデル、ターゲットモデル、ホルスターストック装着型がある。現在、ブローニング・ハイパワーはMkIIIモデルが主流で、軍・警察、民間ともに使用されている。イギリスのSASでは、SIG P226が採用されるまで使用されていた。
1902年にルガーP08用に開発された9mmパラベラム弾が西側で最もポピュラーな軍用拳銃弾となり広まったのは、このブローニングハイパワーの使用弾として世界50ヶ国以上で制式採用された実績によるものと言っていい。ベルギー、フランス、リトアニア、ペルー、ドイツ、デンマーク、カナダ、イギリス、アルゼンチン、ハンガリー、インドネシア、中国で採用実績があり、アジア、アフリカ、中南米の各国軍および警察でも現在まで第一線で活躍している。
FN ブローニング・ハイパワー DA:
シングルアクションのブローニング・ハイパワーをダブルアクション(DA)化し近代化を図ったモデル。
シングルアクション自動拳銃は安全装置がサムセフティのみであったため、十分に訓練されていない使用者の場合、薬室に弾丸を装填したまま持ち歩くとふとしたことで暴発させてしまう恐れがあり、ハンマーレスト、チャンバーエンプティ、ハーフコックのどれかの状態(ハーフコックでは撃針安全装置の組み込まれているモデルの場合それがキャンセルされてしまうため、落下時などに一抹の不安が残る)で保持せねばならず、一度ハンマーを起こさなければ撃発できない欠点があった。これを解消し、安全性を向上させるためにDAモデルが開発された。
外観のデザインも一新され、現代的なスタイルに進化した。しかし、コルト・ガバメントのDAモデル「ダブルイーグル」と同様すでに競合製品が市場に出回っていた為(ベレッタM92SB、SIG SAUER P220、S&W M59等)ビジネス的には成功しなかった。
(参考:Wikipedia)
0 件のコメント:
コメントを投稿